「書友」補足解説

◇令和5年4月号  一般漢字半紙規定臨書

〔審査員 竹村天祐〕
 

動画[高貞碑]
https://www.youtube.com/watch?v=Hq5dRxknU54

◇令和5年4月号「青天」

〔審査員 竹村天祐〕

(1)用具用材
「書友始めるから100均行って筆買ってこよう」
ちょっと待ってください。確かに「弘法筆を選ばず」とは言いますが、空海は中国で筆の製法を学び、書く文字によって筆を使い分けていて筆はかなりの拘りを持って使っていたようです。やはり用具は選びたいものです。
昔から「筆3紙3」と言って、良い作品完成のために「筆が3割、紙が3割」と大きな割合を占めています。「へば、なんた筆使えばいいのよ」「どごで買うのよ」となりますがご安心ください。書友社では用具用材も販売していますのでご利用ください。
今回の動画で使用している筆は「杉峰(1,650円)です。

(2)重点目標「横画」
① 起筆と収筆はしっかり止まる。
② 横画は等間隔に。
③ 署名までしっかりと。

動画1[基本用筆編]
起筆と収筆はしっかり止まる。
https://youtu.be/ROky1CyHil0

動画2[横画は等間隔編]
https://youtu.be/__M4c8PAZeI 

《古典って何だ、臨書って何だ》

「古典」と聞くと皆さんは「源氏物語」や「枕草子」などを思い浮かべるでしょう。しかし、書道では「古人の書いた優れた筆跡」を「古典」と言います。そして、それを手本として習うことを「臨書」と言い、書いたその作品も「臨書」と言います。古典と言われるには「古人が書いた」ものであり、さらに「優れた」筆跡であることが条件です。

書道の作品は「本文と落款(らっかん)」で構成されています。落款は「署名」と「印」です。つまり、書道の作品は「本文・署名・印」がないと完成ではありません。よく署名をせずに本文だけをお稽古をしている人を見かけます。しかし、署名も書道作品の重要な構成要素なので、1枚本文を書いたら必ず署名も書きたいものです。

書道作品の署名は苗字は書かずに名前だけを書きます。苗字だけの署名はありません。そして、臨書の場合には臨書であることを示すために名前の下に「臨」と書きます。


書道あるある

⭐️署名のうまい人の作品はだいたいうまい。

⭐️印をきっちり押している人の作品はさらにうまい。

◇「三井本」十七帖

〔審査員 竹村天祐〕

■断筆とは何か
断筆(だんぴつ)とは三井本にある用筆法で、画の転折部分でいったん筆を離し、そこよりわずかに位置を移して筆を入れ直し次の画を書く書き方を言います。

書として優れ拓本として良好なものに三井本、上野本があります。同じ十七帖でもこれらを比べると書風が異なり文字の形なども違いがあります。

断筆は十七帖を学ぶために運筆の様子がよくわかるようにと、手を加えて石に彫り直したいわば「学習用」と考えられています。
草書は行書を崩してさらにそれを簡略化して生まれたのではなく、楷書と共に隷書から発達したものと言われています。同じ草書でも孫過庭の書譜や智永の千字文では点画が曲線的であるのに対し、王羲之の十七帖は点画が直線的です。それは王羲之の楷書の書き方が完全に抜けない形というよりも、楷書の書き方をも取り入れた草書の完成へと進めていったのかもしれません。また、隷書的な書き方も取り込んでいます。十七帖の書き出しの部分は相当注意を払って書き始めたと思います。

■臨書するときに断筆はどうすればいいのか
書く「リズム」の起点をつくるために断筆はあると思います。書道史時代的背景から楷書的な書き方をする草書にリズムを持たせるために、断筆はそのスタート地点です。
断筆部分では原本のように筆の位置をずらして筆を入れ直して書いても良いですし、その場で一端筆を止め、同じ位置から書き進めても構いません。大切なことは運筆の流れるようなリズムで書くということです。

YouTubeに動画を掲載しています。